田村 遵一
群馬大学大学院医学系研究科
総合医療学教授
このたび、第81回日本温泉気候物理医学会総会・学術集会を群馬県渋川市伊香保町において開催させていただくことになり,大変光栄に存じます。
伊香保温泉は南北朝の時代の書物に温泉が湧き出たとの記載がある歴史の深い温泉で,数多くの文人に愛されてきました。明治初期,ベルツ博士に最初に衛生環境に関する指導を受けた温泉でもあります。
大会のテーマとして『温故知新〜伝統医学と将来の医学の展望』を掲げました。日常診療に温泉気候物理医学の伝統的な知恵を生かしつつ,現代医学の現場に適切な形で情報発信していくことが今後重要となると思われます。
特別講演には各国の温泉事情に造詣の深い,信濃毎日新聞社の飯島裕一様にお願いしました。招待講演には高地医学をご専門の一つとしてご活躍の群馬大学大学院医学系研究科麻酔神経科学の斎藤繁教授にお願いしました。またシンポジウムでは「伝統医学と将来の医学の展望」と題し,温泉医学,鍼灸医学,漢方医学それぞれに造詣の深い先生方に今後の温泉療法に対する提言をお願いいたしました。
そして学術総会の主役は一般演題のディスカッションであります。是非、会員の皆様には日頃の診療・研究の成果を一演題でも多く御発表いただき、温泉気候物理医学の発展にご協力いただければ幸いです。
学会での討論のあとは,浴衣に下駄を引っ掛けて,石段の風情あふれる温泉街をのんびり散策していただき,伊香保情緒を感じていただくとともに,日常の疲れを癒していただければ幸甚です。
多くの会員の皆様のご参加を心よりお待ちしております。
平成27年11月吉日